昼休み、あたし達は、いつもよりも急いで弁当を食べていた。
菜子は、当人のあたしよりすっごいやる気で。五十嵐くんが妬いちゃうくらい。
「ほらっ、歩香!急がないと時間なくなっちゃうよ!」
「ひょっとまっへ~」
菜子はすごいいきおいで食べきり、あたしが菜子を待たせてる状態。
「ねぇ~、さっきから何をそんなに急いでるの~?」
馴れ馴れしい、けど安定感のある声。
「夏目くん!」
「ねぇ、なんで急いでるのってば~。もしかして、好きな人でもできた?」
え…
なんとなく、いや、なんとなくだけど、
外れちゃいない。
もちろん、当たってるわけでもないけど。
「まぁ、そんなとこ?ね~、歩香!」
「えっ」
ここであたしにふるの!?



