「…えっ」 指差された先には電柱に派手にぶつかってる自動車。 あたしは、はっと息をのんだ。 「あ、ありがとうございました…」 車のその無惨な姿を見て、放心状態のままお礼を言う。 この車にひかれてたら、どうなっていたんだろう。 あたし、死んでたかな…? そして、もう一度その車を見つめる その光景に固まっていると、男の人は口を開いた。 「同じ学校のやつが目の前で死ぬのが嫌だっただけ」