「えっと、あの…」


あたしはやっと口を開くことができた。

その人にお礼を言おうとした。

「あの、ありが「おい」


そのお礼は、その人によって遮られた。


「早く退いてくれない?」



あたしは、今の状況を見てみた。


あたしに飛びつき、車をかわしてくれた男の人。そのまま転がったらしく、あたしは男の人に乗ってる状態だった。



「す、すみませんっ」



あたしは急いで謝った。




「いーよ、別に。居眠り運転だった、あの車が悪いんだし。」


そう言って、男の人は少し先を指差す。