とりあえず、大河くんの家の事情もあり
蒼くんと大河くんは帰った。
花さんが、帰り際に蒼くんに
なにか渡してたけど、気にしなかった。
あたしは、蒼くんたちを送り届けたあと
花さんに今日の出来事を聞いた。
「蒼くんが…??」
「そうなんですよ、こんな老いぼれに
傘貸してくださってねぇ…歩香お嬢様は
いいお友達をお持ちで…」
だから、濡れてたんだ。
あのとき話してたおばあさんって
花さんだったんだ。
蒼くんが褒められたのに、自分のことのように、嬉しくて、恥ずかしくなる。
「歩香お嬢様、あの方がお好きなのでしょう…?」
!?!?
「は、花さん!?!?」



