その時、歩香と夏目が抱き合った。



「は…?」


「あーあ、見ちゃったねぇ。蒼?」



抱き合った、つーかただ単に
夏目が抱きついてるだけっつーか…

歩香が抵抗してないのも事実だけど。




歩香は夏目に顔を埋めてて顔は見えなかった。

すると、夏目の手が歩香の背中を撫で始めた。



…慰めてる?

……歩香、泣いてる?

 

ホントは止めたい。

何でだかわかんないけど、苛つくから。



けど、泣かせたのは俺だ。







…俺はその窓から目を逸らすことが
できなかった……




       





          ~蒼 side end~