例え、この声が届かなくても…。


「暁兄お風呂上がったよ。」

私はリビングにいる暁兄に話かけた。

「おぅ。入るよ。」

そう言うと暁兄は、読んでいた雑誌をたたんで自分の部屋に向かった。

「はぁ…。」

私も自分の部屋にいき、机の上の写真立てに、そっと指をなぞった。

「あぁ…。だめ。考えちゃダメ。今日は寝よ!」

私は何も考えずに今日は寝た。