「っ、凌空! ねぇどうしたの?!」
凌空の前に滑り込む様に行き、蹲る凌空の肩に顔を覗き込みながら触れようとして、叩き落とされた。
「な、んで、ここにいるんだよ!」
「だって、凌空が心配で…」
蹲りながらも顔を上げ睨み上げて来る凌空の瞳は、あの時の様に赤く染まり、髪も黒く変わっている。
「い、から…出てけっ」
「で、でも…!」
「出てけって言ってんだろ?!」
鋭い瞳と荒々しい声にビクッと肩を震わせた由希は、眉を寄せ何かを耐える様に唇を噛み目を伏せる。
一向に動こうとしない由希に、凌空は険しい顔付きのまま片手で膝立ちの由希を突き飛ばした。
片手でも由希にとっては威力が強く、簡単に尻餅を着いてしまい、その際床に付いた手を散らばっていたガラスの破片で切ってしまう。
「い、たっ」
「あ、由希?! お前けが…!」
手の平を庇う様にもう片方の手で覆うとしていた由希の手を、焦った凌空は掴み傷を見ようと顔を近付け、固まった。
血の流れる手の平を見つめ動かなくなってしまった凌空に、どうしたのかと手の平から視線を上げた由希は、凌空の何処か変わった雰囲気に気付く。
