魔法の国と私の恋

そのカップには熱い紅茶のようなものが入っていた。

怖々匂いを嗅いでみると、ほんのりと花の良い香りがする。


「慎重だなぁ。」


鳥が笑い声を立てる。

わ、笑うんだ・・・鳥が。


「この国ではどこでもこの花が栽培されてるんだ。
 ドライフラワーにして、こうやってお茶にして飲むんだよ。」


ハーブティーってことなのかな。


「何ていう花なの?」


「ティラ。」



かわいい名前だな・・・なんて思う時点でのんきだな私。

一口飲んでみると、柔らかい口当たりに心がほっと少しだけ緩んだ。


「美味しい・・・」


「でしょ?みんな大好きなお茶だよ。
 心身をリラックスさせる効能があるんだ。」


確かに、あるかも・・・。

私は一口、また一口とお茶を飲んでいって・・・

そして少しずつ瞼が落ちてきた。