月がとっても



次の国語の授業も、他の教科と同じようにテスト返却と自習という流れ。


……ただ、自習に入るその前に少しだけ夏休みの読書感想文の説明の時間があった。


参考として配られたプリントには感想文の書き方や、図書の選び方なんかが丁寧に解説されている。


先生の話を聞きながらぼうっとその解説に目を通す。

解説を読んでいくと、ふと、用紙の隅に書かれた小さな文字を見つけた。



手書きでこっそりと


"本は宇宙

読書は宇宙旅行

いってらっしゃい"


という不思議な文章が綴られている。




(宇宙……、宇宙旅行……)



そう心の中で呟くと、あの日神崎と観たプラネタリウムの星空を思い出して、


頭の中に星空が巡った。