月がとっても



ふと、自分のギターを見て少し考える。
なんと呼んでみたらいいだろう。神崎のようにキャラメルと呼ぶにしては少し濃い飴色のギターだ。


「じゃあこれは?」

聞いてみると、神崎は少し考えてから自信満々に、


「みたらし」

「……なんでだよ」

「え、だめ……ですか?」


思わず言い返してしまうと、神崎は怒られたと思ったのか不安そうな顔をした。


「いや、ダメじゃないけど、みたらしって……」

「でも、美味しいですよ……?」

不安そうにそう言われればもう笑うしかなかった。



「そうだな、みたらしな……」

ギターの腹をトントンと叩く。



(みたらしだって、お前)


心のなかで先ほどまで名無しだったギターに問いかける。



返ってきたのは、

いつもより少し弾んだ音色だった……。