たしか、原曲の歌詞は恋人のことを歌ったものだった。 “誰かと誰かがライ麦畑で出逢うとき、 二人はきっとキスをするだろう。 何も嘆くことはない。 誰でも恋はするものなんだから……” ……幼い頃、アメリカ人の母の故郷で見た黄金色の畑をぼんやりと思い出した。 そこは日本よりもずっと空も大地も広い場所だったけれど、……その時も今日みたいな真っ赤な夕焼け空をしていた気がする。