先輩と視線も合わせたことのない顔見知りだったのが、一年。
言葉を交わしたのが、たった3ヶ月ちょっと。
手を繋いだのは、ほんのひと時。
どれも長かったようで、とても短い時間だった。
季節は巡り、秋が過ぎて冬が過ぎて、私は中学3年生になった。
一年前はあっという間に過ぎた5月の連休も、今年はとても長く感じた。一年過ぎて考えてみると、私が先輩と過した時間はとても少なかったことに気付いた。
いつの間にか、今の私は先輩と同じ歳。
先輩との距離が、ますます離れてしまう。そう思うと、言い表せない不安が漠然と浮かんでくることが多くなった。その感情は日に日に大きくなる。
夏が近づくにつれ、言い様の無い恐怖や不安が膨らんで、それに押しつぶされるようにまた呼吸が満足にできなくなった。
一人でいることが寂しくて、ただ怖くて。
消えてしまいたいと、
そう思うことが増えていた。