月がとっても



ずっしりとした分厚い本。

表紙は少し奇妙な絵。

タイトルは私でも知ってる海外の有名な芸術家の名前。


作品集かなにかかな……。

ページをペラペラとめくってみると、表紙よりさらに過激で奇抜な絵と、その解説のような文章がびっしり綴られているのが見えた。



(面白いのかな……)

美術には疎いから、さっぱりよくわからない。


誰か借りたりしてるのかなと、ふと疑問に思って最後のページをめくって貸し出しカードを取り出した。



借りていたのは、ひとりだけ。



"夏目 望"



少し癖のある綺麗な字に、心臓がどくんどくんと静かに高鳴った。


借りた日付は、

プラネタリウムを観たあの日……。





 冬の大三角形

 おおいぬ座のシリウス 

 小いぬ座のプロキオン
 
 オリオン座のベテルギウス


 オリオンのベルトの三つ星たちは、

 本当はずっと遠く離れてて……