◇◆◇
図書委員の仕事は一人になっても続けた。
放課後の図書室は、相変わらず誰も居ない。しんとした図書室で私はすることもなくカウンターの席にぼんやり座った。
夏目先輩と一緒だった頃は、もっと居心地が良かったのに……。
たくさんお喋りしたっけ。
ほとんど毎日たくさんのことを語り合った。
懐かしい日々の話とか、
ギターや音楽の話とか、
遠い国の映画の話とか、
大好きな小説の話とか……、
(そういえば、最近読書してないな……)
夏目先輩とのことを思い返しているうちに、ふとそんなことを思い出した。
先輩が亡くなってからは私はギターばかりに熱中していたから。教えられたギターの音を忘れないようにと、ただ必死に。読書の時間も削るほど……。
(久しぶりになにか読もうかな……)
そう思って席を立つ。
誰もいない図書室をゆっくりと歩いて回った。棚にびっしりと詰められた本の背を眺めながら、面白そうなタイトルを探す。
「……あっ、」
……ふと一冊の本が目に入った。
タイトルが気になったからじゃなくて、きちんと本と本の間にしまわれず、他の本たちの上に置き去りにされていたから。
(誰がこんなところに置いたんだろ。きちんと戻してあげないと……)
そう思って本を手にとる。
図書委員の仕事は一人になっても続けた。
放課後の図書室は、相変わらず誰も居ない。しんとした図書室で私はすることもなくカウンターの席にぼんやり座った。
夏目先輩と一緒だった頃は、もっと居心地が良かったのに……。
たくさんお喋りしたっけ。
ほとんど毎日たくさんのことを語り合った。
懐かしい日々の話とか、
ギターや音楽の話とか、
遠い国の映画の話とか、
大好きな小説の話とか……、
(そういえば、最近読書してないな……)
夏目先輩とのことを思い返しているうちに、ふとそんなことを思い出した。
先輩が亡くなってからは私はギターばかりに熱中していたから。教えられたギターの音を忘れないようにと、ただ必死に。読書の時間も削るほど……。
(久しぶりになにか読もうかな……)
そう思って席を立つ。
誰もいない図書室をゆっくりと歩いて回った。棚にびっしりと詰められた本の背を眺めながら、面白そうなタイトルを探す。
「……あっ、」
……ふと一冊の本が目に入った。
タイトルが気になったからじゃなくて、きちんと本と本の間にしまわれず、他の本たちの上に置き去りにされていたから。
(誰がこんなところに置いたんだろ。きちんと戻してあげないと……)
そう思って本を手にとる。

