月がとっても





"交通事故に遭って 亡くなった"





もう会えないのだと。

電話で伝えられた言葉は多かったけれど、理解出来たのはその1つだけ。

先輩との別れはあまりにも唐突で。その残酷な現実をすべて受け入れるには、今の私はあまりにも幼過ぎて……



(なんで……、どうして……)


電話の向こうの黒沢先輩の声が遠くなって、そんな言葉ばかりがぐるぐると頭のなかに巡る。






(どうして……)


わからない。

だって、夏休みにまた会おうって、そう約束したのに。



『 今度、うちでもするか?花火"』


『花火だけじゃなくてさ、またいつでも家に来いよ』





" 約束な"







約束 したのに、

それなのにどうして、

もう、会えないって……。