ムカつくアイツ。


急ぎ足だった私でも気づいた。
ほのかな石鹸のような香りが
鼻を刺激した。

『あの人が朝霧 りん?』

『オーラ的に絶対そーだよ!』

『予想以上なんですけど!』

まわりにいた子達も次第に
声が大きくなってくる。

急ぎ足のわたしの横を
通り抜けていった少年。

たしかにイケメンだった。

あさぎり…りん?

不覚にもときめいてしまったのだ。

こんな気持ちは味わったことがなかった。

漫画のような運命的な出会いだった。