沁李

まずこのお話に私以外の視点では話せない。
読者様もわかっているように実話だからだ。

まだ人生は長いけどもう恋なんてしたくない。いや、恋なんてできないんじゃないかと冗談抜きでおもったそんなお話だ。












私こと稀崎沁李は嫌われ者だ。

自分でも自覚しているように性格が悪い。

だからこそ友達を大切にしてきた。
異様なまでに友情を崩したく無いと思っていた。

そんな中、中学二年生の後半、なんの下心もなく二人の男子と仲良くなった。
一人とは小学校からの付き合いで習い事も一緒だったため仲が良く、もう一人とは確かあまり話したことがなかった気がする。

仲良くなった発端は幼馴染とも言える男子。つまりは雅の持っている小説に私が興味を持ったことだった。
基本本ならなんでも読んでいた当時はラノベであろうと辞書てあろうと暇ならなんでも読んでいたし興味の対象だった。

丁度席が隣だったということもあるのだろう。私は雅からその本を借り読み更けた。

その本を読んだ時の感覚は今でも鮮明に憶えている。

なんというか生まれて初めて生きてて良かったと心の底から思った。
私はその作者に飲み込まれてしまった。

そこから私と雅は語り尽くした。
雅はある男子と仲良く、常日頃その男子と行動を共にしていた。
それが慶だった。

慶も本が好きだと言うことですぐに仲良くなり三人で行動を共にし、毎日が楽しかった。

ただ、まぁ年頃の男女が行動を共にしていると言うことはそれなりに噂は飛び交った

菜月「ねぇねぇ、沁李。ちょっといいかな?」

別クラスの女の子。
あぁ、きっとどちらかと付き合っているの?などと聞かれるんだろうな。そう思った。

沁李「なに?どうかしたの?」

菜月「沁李に聞きたいことがあるんだ。雅か慶と付き合っている?」

ほらきた。たく、すぐそっちの方に話を持ってこようとする。

どうせ菜月は使いで来ただけで他にも知りたがっているやつがいるんだろうなぁと思った。


沁李「あぁ、なんかそんな噂が飛び交っているよね。どちらとも付き合ってないよ。」

いつも作っている性格で口調で声のトーンで答える。

そのあと二三問質問されて終わった。

その後、仲が良い女友達にその事を話すと

深榎「沁李はスキンシップが激しすぎるんまよ。あの二人には普通に抱きつくし慶に至っては膝の上に乗ったりしてるでしょ?だからだよ。」

正直驚きを隠せなかった。

私は限度が良くわからない事がある。
女子に抱きつくことが良くあるのでそのノリで…

ということはどうやらまずかったらしい。

私は喋り方や行動からして男子に近いため、私の前では男子も女子も大差ないのが原因だったのかもしれない。

それに私はバイだし…

だからこそ安心していたと思う面もある。
二人は私に絶対恋愛感情がないと思いこめたから。
雅にいたっては僕がバイだということを知っていたし…。

しかしそんな事はなかった。

慶が私の事を好きだという噂がたったのだ。
初めは男子の悪ふざけだと思っていたが悪ふざけの期間があまりにも長すぎた。

そんな事があり、いつの間にか中学三年生だった。

私の中学では修学旅行を三年生になってから行う。

私達は修学旅行でタクシーを使う事になっており、人数の都合上男子のグループにはいる事になった。
男子三人、女子一人。
まぁ奇怪な目で見られた。

他校の視線。(特に男子)
他校の女子達にはすれ違いざま「キモイ」と言われ殴りかかろうとしたら流石に止められた。

そんな初日の夜。
女子部屋の定番、暴露大会。

みんな各々にいろんな話をして多いに盛り上がった。