6人組の恋模様

過去…そして再開

私がエンジェルを抜けてから1週間が経った。
「お父さん。おはよう」
毎日、お父さんのそばにいる。
あれから、お父さんの病代は少し良くなって、今は落ち着いている。
私は過去を思い出していた。

私の過去。それは最悪なものだった……


その日私はいつも遊んでいる公園にお母さんと来ていた。
私がボールで遊んでいたら、公園の隅から誰かに襲われた。そこからは記憶が無い。

私が目を覚ましたのは、倉庫の中のようなところだった。
そこで私は3人くらいの男にたくさん叩かれた。
その人たちは、お父さんに首にされた人達だった。
その人達は私を人質にお父さんを呼び出した。
お父さんに仕返しをするために。
お父さんが必死になって説得するも、男達は言うことを聞かなかった。
そして、私は拳銃を向けられた…

『社長さんよ、お前の娘は殺すからな』
『や、やめてくれ！』
『お前が悪いんだよ！お前が俺たちを首に何かしなければこうならなかった』
『麗萎だけは！』
『さようなら、麗萎ちゃん』
バンッ！
私は終わったと思った。
だけどどこも痛くなかった。
その代わりに私に覆いかぶさっていたお父さんが沢山の血が出ていた。
『お父さん、お父さん？』
私はお父さんに必死に呼びかけた。

ピーポーピーポー

気づいた時には、病院にいた。
後から聞いたことだが、お父さんは私をかばって撃たれた。
お腹を撃ち抜かれていた。
初めは命に別条はないと言われたが、お父さんはそれを拒否するかのように悪くなって行き、目を覚まさなくなった。
お母さんは私のせいじゃないと言っていたが、影で1人で泣いているのを知っている。
それからだった、私が笑顔を作るのを辞めたのは。
私は人を不幸にする人間。
そう思いこんでずっと生きてきた。

だけど、ずっと行っていたエンジェルのみんなを見ている時は必ず笑えた。
エンジェルは私の太陽だったんだ…

「お父さん…目覚ましてよ」
お父さんは今だに目を覚まさない。
ガラガラ
「お母さん…おはよ」
「ご飯食べて、着替えね。あなたに会いたいっていう方がいるの」
「分かった」
私はご飯を食べ終え、私服に着替えた。

タッタッタッタッ
「どこ行くの？」
「そこのカフェよ」
カランカラン
そこは、カップル向けのカフェだった。
「あそこよ」
お母さんが指差した方を見る。
ドクンッ
私はその人達を見て目見開いた。
そこには…
さ：「れい！」
エンジェルの皆がいたから。
「なんで？」
ゆ：「何ではこっちのセリフだよ！」
こ：「勝手にいなくなって」
る：「僕たちがどれだけ心配したか」
と：「お前はバカか！」
あ：「ほんとだよ！」
さ：「俺たちがあんな手紙でハイ分かりました。って素直に従うと思ったか？」
し：「れいー！」
皆が泣きながら言った。
しぃは私に抱きついた。
「探してなんて頼んでない！」
ドンッ！
私はしぃを突き放した。
「私のこと何も知らないくせに！過去に何があったのかも！それで、同情してるつもり？私には迷惑なのよ！」
私は、店を飛び出して病院へ行った。
「お父さん…私はどうすればいいの？」
今まで流さなかった涙が溢れる。
感情を全く表さなかったのに。
みんなに会うと調子が狂う。
お父さん、お父さんならこんな時どんな言葉をかけてくれるかな…。
私は心の中で問いかけた。