その日、私は学校内で、矢野先輩を探すようになっていた。

移動教室のとき。靴箱に向かうとき。

団の練習の時にはいつも先輩を見ていた。

先輩は相変わらず団長さんからいじられ、みんなを笑わせていた。

やっぱりかっこいい。

でも、恋をしたらダメなんだ。

どうせ叶わない。自分が悲しい思いをするだけ。

先輩は私の存在なんか知らないのだから