〜修哉〜

たっく……
マジふざけんなよっ!
名前を忘れてたなんて……!

俺もそろそろ名前って呼ぼうかなぁー

「し……修哉ぁっ! 速いぃぃ……‼︎」

しかし、キモいって言われそーだしな……

「修哉っ! スピード速い‼︎‼︎」

うーん…… どうしよ……

「修哉っっっ‼︎‼︎」

ーハッ‼︎

我に返った。

さっきから考えごとして、
バイクのスピードを調整するのを
忘れてた。

「あ? なんだよ」

「なんだよじゃないっ! 速いって‼︎」

あ……
確かに速いかもしれない。
優一達が少し後ろだ。

「こんぐらいが丁度良いの」

「あんたらの感覚おかしいわー
絶対おかしい……」

知らねーよ、そんなこと。
俺はただただバイクを走らした。

ーウウ〜……

機会音が街じゅうに響きわたる。


なんだ、この音……
どこかで聞いたことある……気が……

………あ

「し……修哉? う……後ろの方に
いる車って、もしかして……」

手と声が震えてる。
今起きてることを、凛のせいにした。

「あー 凛の不幸体質のせいだわー」

後ろの車っていうのは、
……パトカー。

「ああああっ‼︎ もうぉやだぁっ‼︎
降ろしてぇぇえっ!」

「え? こっから?」

「こんな速いの降りれる
わけないでしょ⁉︎考えなさいよ、
馬鹿ノ瀬っっ‼︎‼︎」

「誰が馬鹿ノ瀬だよ‼︎」

俺カッときて凛の方に顔を向けた。
……可愛い。

「修哉っ! 前、前っ!」

ーハッ‼︎

凛の顔に気を取られてた。

……ん?
俺、さりげなく名前で呼んでるわ ((笑
いつから呼んだっけ?

……どうでもいいな、よしっ!

俺は凛に忠告した。

「掴まっとけよ♡」

「それってまさかぁ♡」

ニコッの凛は笑った。
顔は完全に青ざめてる。

俺は優一に指示を出すために、
大きな声で叫んだ。

「優一? 聞こえる〜?」

「んー? なにー?」

凛はやめてやめてと言わんばかりに
俺の背中に顔をグリグリと、
押し付けてる。

「ケーサツきてるから
スピードあげるよー」

「了解〜!」

この後、凛が叫ぶことは
言うよしもない。