私は、もう一度目を擦って、
優の顔を見つめた。
そして、笑った。
思いっきり笑って、笑顔を優に見せた。
すると、切なそうな顔をしていた優の表情が、
ふっと緩んで、かわいい大好きな笑顔を見せてくれた。
好き......大好きだよ、優。
どんなことがあっても、
この気持ちは絶対に変わらない。
私は、繋いだ手をぎゅっとした。
その時、電車がホームに入ってきて、
二人、手を繋いだまま電車に乗り込んだ。
また扉の横の角に私を立たせると、
一緒に同じ手摺を掴んで。
でももう、繋いだ手を優は離さなかった。
窓の外を見ている優の横顔をずっと見ていた。
一緒にいられるだけで、幸せだと思った。
優と一緒にいられるのなら、
それだけでいい。
じっと見つめていたら、優がこっちを向いて目が合った。
私が笑うと、優も優しく笑ってくれた。
ほら、もうこんなちょっとのことだけで、
嬉しくなる。
もう、優が好きだと気づいたら、
好きがいっぱいで......
この想いを、
どうやったら全部伝えることができるだろうって、
優の黒目がちの綺麗な瞳を見つめながら、
そんなことを考えていた。