手紙を渡せたことに喜べたのは、
ホームの上だけで、
それからは、携帯が気になってしかたなかった。
もう、読んでくれたかな.....
読んでどう思ったかな......
まさか、学校の友達とかに見せて笑ってないよね......
そんな......あの人はそんなこと絶対にしない。
よく、知らない人だけど。
なんとなく、そんなことはしない人だと.....思う。
授業中も、真菜とお昼ご飯を食べている時も、
携帯が気になってしかたなかった。
ほとんど勉強が頭に入らず、
ずっと携帯を気にしながら、放課後になってしまった。
放課後に携帯を見ても、
やっぱりなにもメールは来ていなかった。
「あとは、待つしかないよ。
返信がくること、私も祈っているから」
放課後、校舎を出たところで、真菜が言った。
「ありがとう......」
「まだまだ、明日も明後日もあるよ」
「そうだよね......」
「じゃあ......月曜日話聞かせてね」
「うん」
真菜は駐輪場に向かった。
ひとりで駅に向かい、
電車に乗って、
一応、車内をぐるっと見渡して、
彼のいないことにがっかりしたような、
ホッとしたような、複雑な気持ちになっていた。
もし、返信がなかったら、
月曜日の朝、どんな顔して会えばいいんだろう。
時間をずらそうかな......
私は完全にマイナス思考に陥っていた。