優しい君に恋をして【完】








私はぶんぶんと首を大きく振った。




涙を手の甲で拭くと、ゆっくりと指を動かした。




「優がまた、音を聴きたいって思っているのに、




手術しなくていいなんて言って、ごめんね......




応援しなくちゃいけないのに、ごめんね......」





何回も謝ると、優は私の手首を掴んで手話を止めた。






「わかってる。




わかってるよ......あすか......」




そう言って優は私の手首を掴んだまま、


唇に触れるだけのキスをしてきた。



そっと離れると、また唇が触れて、



目の前の優を見つめると、優も私を見つめていて......



その綺麗な瞳が、まぶたで閉じられていくと思った瞬間、


また唇を塞がれた。



唇を重ねるごとに激しくなっていくキス







抑えきれないものがこみ上げてきた時、

ぷちっと、制服のリボンを外された音と感触がした。



びっくりして瞼を開けたら、



優が唇を離し、今度は首元にキスをしてきて、



私のベストのボタンを外し始めた。



胸の鼓動が、痛いぐらい、


早くなった。










そしてベストを脱がせ、


また唇を塞ぎ、ブラウスのボタンに手をかけた時、




優の胸をパンパンと叩いた。







優は唇を離すと、少し上目で見つめてきた。




「あ、明るい......」



そう言うと優は立ち上がって、



窓のカーテンを閉めて、また私のそばに立った。



そして私の腕を掴むと、少し引っ張って、


すぐ後ろのベッドに座らせた。



ベッドに腰掛けたまま、


目の前に立つ優を見上げると、

そっと両肩を掴まれた。




少しびくっとして下を向くと、


顎を持ち上げられてしまい、


上を向いた瞬間、


優の唇が落ちてきた。




顎を押さえていた優の手が、


首筋を触り、


私の肩を掴むと、





ゆっくりとそのまま、


私を押し倒した。