お、お兄ちゃん??????
半袖のスーツ姿のお兄さんは、
優と同じぐらい、背が高くて、
ちょっと驚くぐらい、優とよく似ていた。
「久しぶり。体調は大丈夫か?」
手話と一緒に話したお兄さんの声は、
優よりも少し低かった。
「どうしたの?突然」
「今日、休みが取れたから、式場めぐりだよ。
夏休みは、一日もこっち帰れないと思うから。
今日中に決めないとな。
明日優と一緒に東京に戻るかと思ってたんだけど、
今日中に帰らないとだから、
ごめんな。
明日、待っているから」
お兄さんは、手話の手を止めると、
私のことをちらっと見た。
「彼女?」
そう言って、お兄さんが繋いだ手を見たから、
恥ずかしくなって、
手を離そうとしたら、優がぎゅっと強く握ってきて、
そして、頷いた。
「はじめまして.....えっと....」
「遠山あすかさん、だよね。
いろいろと......ありがとう。
本当に、感謝してる」
「そ、そんな......」
私がブンブンと首を大きく振ったら、
お兄さんが、あはははっと笑った。
あ......笑顔がそっくりだ......
その時、奥の扉から小さなかわいらしい人が出てきた。



