そんな.....
再手術なんて......
「中の機械が 壊れてしまっているから
入れ替え手術を受けることにした
うまくいけば 前とは違う音かもしれないけど
今よりもずっとよく聴こえるようになる
でも.......」
私は両手で優の手を握りしめて、顔を覗き込んだ。
「やっても 聴こえない場合もある」
優は俯いてしまった。
手術をすれば、100%聞こえるようになるんじゃないんだ。
うまくいかない場合もあるんだ。
そんなの、ただ体に傷をつけるだけで、
無意味じゃん。
私は、優の方を向いて、肩を優しく叩いてこっちを向かせた。
「やっても、聴こえないままの場合もあるなら、
手術しなくていいじゃん。
そのままの優でいい。
優の体を、傷つけるだけになってしまうかもしれないんでしょ?
そんなの、やらなくていいよ。
私が、優の世界に寄り添うから。
私が、もっとちゃんと手話を覚えるから。
優は、そのままでいいよ」



