優しい君に恋をして【完】





優に支えられながら観覧車に乗ると、

後から優が乗ってきて、


向き合って座った。



少し涼しくて、冷房が効いていることに驚いた。




「優は、ここに来たことあるの?」


観覧車って向き合って話せるからいいなと思った。



手話をつけながらそう聞くと、優は小さく頷いた。


あるんだ......




誰と?とか、聞いてもいいのかな......



それで、元カノとか言われたら、ここで号泣しちゃいそうなんだけど。



とりあえず、遠まわしに......




「優って、今まで彼女......とか、好きな女の子とかいた?」



優は私の手話を見ると、目をそらして、



少し考えてから頷いた。




わあああ......どうしよう、いたんだ......




彼女?好きな子?どっち?



どっちにしろ、嫌だな......


聞くんじゃなかった、私のばかぁー!!



下を向いていたら、優が顔を覗き込んできた。



少し上目で見つめられて、


へこんでいたくせに、やっぱり好きだなって、


ちょっと泣きそうになりながらそう思ったら、



優が噴き出して笑った。







「幼稚園の頃の話だよ」