おっさん『こりゃあ、ひでぇ、、、昨晩の足音はやっぱり壬生狼だったのか
嬢ちゃん、生きてるか?嬢ちゃん』
翌朝、昨晩の騒がしい足音が気になった町人達は
なにがあったのかと町を歩いていると
路地で倒れる閑梛を見つけた。
一人のおっさんが閑梛に駆け寄り
抱き起こすと自らの頭に巻いてあった手拭いで血の出る瞼を優しく拭きながら
閑梛に声を掛ける
お姉さん『冠城(カブラギ)のおっちゃん、生きてっか?』
冠城『ああ、生きてるけど意識はねぇな
誰か!!医者はいねぇか!!』
〝冠城のおっちゃん〟の愛称で呼ばれるおっさんは
閑梛を優しく抱き上げると声を上げ
医者を探す
お兄さん『お、冠城のおっちゃんじゃねぇか!!どーした!?』
一人のお兄さんが冠城に駆け寄る
冠城『おお!!夏海先生!!良い所に
此奴を診てやってください!!
きっと、壬生狼にやられたんでしょう、
すげぇ、傷だぁ』
冠城は夏海に閑梛を預けると
我が娘を見るような瞳で閑梛を見つめた
夏海『ああ、了解した!!
冠城のおっちゃんは此奴の第一発見者、つーことで
此奴の傍にいてもらうぜっ
双苑(ソウエン)の姉ちゃん!!
あんたの着替えをちーとばかし此奴に貸してほしい』
夏海は泥だらけの濡れた閑梛を見てはコレでは風邪をひいてしまうと思い
先ほどのお姉さん、
双苑を見ては頼む

