以蔵『閑梛ー、先生のお茶作ってー』
勝手場に行けば閑梛がいる
目も見えないのによく料理が出来るなぁなんて関心をしながら
湯飲みを差し出すと
閑梛は困ったような顔をする
閑梛『ごめんね?今、手が離せないの、、、』
閑梛の言葉に〝ん?〟と首を傾げながら手元を見ると
魚を三枚に下ろしている最中だった、、、
以蔵『……それ、僕がやる。
閑梛の手伝いする』
僕は閑梛から包丁を奪うと
湯飲みを持たせ
頑張って魚を三枚に下ろしていく
閑梛『ありがとう、以蔵
じゃあ、私はお茶を淹れようかなぁ』
閑梛は僕から離れお茶の湯を沸かしていく
閑梛『武市先生も派手に凍らせたね、、、』
閑梛は静かに呟く
僕が返事を返そうとすると
閑梛『以蔵、、、私ね?
見ての通り、日本人じゃないの。
そしてね?
人間でもないの』
〝ザクッ〟
以蔵/閑梛『え??』
なんか、指が痛い
ザクッって鳴ったザクッって
恐る恐る指を見ると
包丁で切れていた
閑梛『以蔵??どうしたの?怪我??』
閑梛が心配そうに近付いてくる
そういえば、閑梛は血が嫌いだ、だから、、、
以蔵『大丈夫だよ、魚のしっぽがなくなったぐらいかな?
怪我はしてないから、安心してよ』
怪我をしてない手で閑梛の頭を撫でる
閑梛は〝よかった〟と呟き火の元へ戻る
日本人じゃないことは知ってた
人間じゃない?
じゃあ、なんだ?
犬??いや、真面目に考えろ、、、
人間じゃない、ってことはさ、、、
閑梛は
バケモノ
なのか、??
以蔵『ははっ、ないよね、』
僕はボソッと呟き指の止血をするように
指を口に含んだ
閑梛はバケモノじゃない、絶対に、、、。

