閑梛『ううん。何でもないよっ』
私は桂さんから離れると
足早に勝手場に向かう
私は
私は異人で
父様の本当の子供じゃない
そんなこと昔からわかってる。
私は人間じゃなくて
バケモノ
なんだ。
こうやって、見えなくても普通にあるけるのは
心の中で、脳で見てるから
私は、そういう特殊な能力がある。
それは、私だけじゃない
夏海先生も
夏海先生は人の心を、過去を覗ける
裕も
裕を操れる、が、
それは身体に大きな負担がかかる。
人を殺すことが出来るが
身体の痺れや痛みに耐えなければならない。
まだ、こんな能力者は
日の本に何人もいるのだと
夏海先生や裕は言う
でも、これ以上は会いたくない。
もう、会いたくない。
私は族に言う
鬼
らしい。
鬼は五感が優れているが
必ず何処かを失う。
私は目を失った。
だけど、視える
私には
人の姿は視えないけど
その他はすべて
視えている

