「あたし…陵くんが………」 これ、夢じゃないんだよね。 どうすればいいんだろう。 「…陵くんが、そんなあたしなんかのこと」 「……」 「本当に、嬉しくて。ありがとうって……違う」 そうじゃない、そうじゃないんだ。 「いいよ、先輩らしくないこと考えんなよ」 「だって…」 「…うるせえな。俺が良いってつってんだろ?」 陵くんの方をみると、心なしか目がキラキラして見えた。 「そろそろ30分以上はたってるだろ。…俺行くな」 待って、なんて言える権利はなかった。