「好きなんだよ…アホ」 え。 あたしの目は大きく見開いた。 「あんな男のとこにいんだよ」 「陵くん…」 陵くんが少し屈んで、おでこをぶつけてくる。 「これ。クリスマスプレゼント」 渡されたのは可愛いピンクのくまのぬいぐるみ。 白い息が距離の近さを証明する。 「…ほんとにドキドキしねえんだな」 右手を取られて、陵くんの心臓の前につけられる。 「俺はこんなにしてんのに」 その声は震えてるように聞こえた。