手を繋ぎながらステージを後にした。 控え室に戻った瞬間に花束をそっと置く。 「隆裕ってこんなバカだっけ…」 「俺、そうとうバカだから」 優しく、背中に手がまわった。 「大好きだ、バカ隆裕!」 隆裕の首の後ろに腕を回してぎゅうっと抱き締めた。 どうしようもなく涙が溢れて肩が震えるあたしの背中を、 ゆっくりとしたリズムで押してくれる。 「………ごめんね」 「あたしこそ、意地はってごめんなさいっ…」