「た、隆裕これって…」
「俺はやっぱり、秋穂とここに立ちたかったから」
あたしの両手を取って、抱き締める。
その瞬間今日一の歓声が体育館中に響いた。
そして
そのまま
優しい口づけがされる。
「本当…こいつら」
「お前ら喧嘩はどうなったんだよ!」
という隆裕の友達からの突っ込み。
隆裕はマイクを取って、スタッフを呼ぶ。
その人は小さな花束を持ってきた。
「…今まで、たくさん傷つけてごめん。
でも俺はこの何週間か秋穂と離れて、
秋穂が大好きだって改めて実感しました。
これから、秋穂をもっと笑わせるから」
やりにくそうな顔で花束を渡される。
「坂枝もなんかコメントしろよな!」
「…マイク、下さい」

