「まぁ、取り敢えず。隆裕、着替え終わったかー?」
スタッフの人が腕で大きな丸を作った。
「よっしゃ、みんなお待たせー!赤坂隆裕が再登場!」
制服をいつも通りに着こなした隆裕がステージに戻ってきた。
そしてなんの迷いもなくステージから下りる。
「まさか…」
雅人さんがボソッと閃いたらしい発言をした。
「秋穂!」
隆裕が目の前に立つ。
手を引っ張られて、訳がわからないうちに壇上に上がっている。
「え、隆裕…」
「今年のファッションショー、最後のトリは
我らがバカップル、赤坂隆裕!坂枝秋穂!
もう一回言うけどこの責任は全部あいつら!」
アツくんはそう言い残して、ダッシュで壇上から降りた。
先生に捕まらないよう全速力で逃げる。

