「こんなとこにいてもあれですし、教室来てください」 「うん。そうする」 一階はそんなに何もないので静かな方。 外の出し物の音が漏れて聞こえてくるくらい。 「…やっぱおかしい」 雅人さんが階段の途中で立ち止まった。 「体調悪いんじゃないの?」 確かに睡眠不足ではない訳じゃない。 「それは大丈夫です」 「ふむ。…それ“は”?」 「…は」 雅人さんが笑顔になる。 「やっぱいーや、今は文化祭楽しも」 「ですね」