声の方へ走っていく。
「ナンパとか無理…なんです。ていうか時間が無くて」
あれって菜々子ちゃん!?
それに…甫さんだよね、あれ。
「甫さん」
「秋穂ちゃん!」
「その子、これからファッションショーだから。行かせてあげてください」
「あ、そうなんだ。ごめんね、連絡先でも「さようなら!」
菜々子ちゃんは駆け抜けていった。
「……お礼なしかよ」
「まぁまぁ、菜々子ちゃん急いでたっぽいし」
「秋穂ちゃん相変わらずだね」
甫さん…
「あの雅人さんって…」
「あぁ、飲み物買いに行ってるからもうすぐ戻ってくると思う」
若干ぎくしゃくした雰囲気だったけど、
雅人さんがすぐに来てくれたおかげでなんとか大丈夫だった。

