「秋穂ちゃん、今日は泊まってきなよ?服あたしのジャージだけど置いとくね」
体操服のくるみ先輩が言った。
「すいません、わざわざ」
「あーあと、あたしも2階で泊まってるから変なことしないように!」
「は、はい!」
勢いに押されて答える。
「それじゃ、おやすみー」
「おやすみなさい」
すれ違うように隆裕が入ってきた。
「…うまそうだね」
なぜか神妙な面持ちの彼。
パクっと食べると「あれ?」と言う。
「これ、秋穂がつくったんだ」
くるみ先輩が作ったと思ってたんだ…
「うん。美味しい」
クシャッとした笑顔を見せてくれる。

