「秋穂ちゃん」

「はい」


まだ、涙声ながらも必死に答える。


「タカもね、多分わからないんだ。秋穂ちゃんがどうしたら幸せでいられるか、どうしたら笑ってくれるか」



確かにあたしも1年、付き合ってきたけどまだわからないことだらけで、



「…ても、多分秋穂ちゃんとタカってだから今までお互いがお互いを好きでいられたんじゃない?」



「そっ…か…」



そうだったんだ…


別に恋人だから相手を完全に理解する必要なんてどこにもなくて、



噛み合わないかもしれないけど、



ぶつかりあったりもするけど、



それでもあたしは…



隆裕が、好きなんだ。