まぁ確かに… そりゃ隆裕と別れたくなくてこんなこと言い出したんだけど、 「麻川」 「はいよ」 「……俺ら、帰るわ」 はい? 固まってるうちに鞄を渡されて、 隆裕に引っ張られた。 「え?隆裕!?」 「いいから」 周りの人たちは驚いたようにこっちを向く。 「え?え!?」 学校をものすごい勢いで出る。 「…秋穂」 「は、はい…」 「絶対ェ、別れさせないから」 隆裕は少しだけ黒い笑みを、こっちに見せつけながら言った。