何がしたいのか、ねえ。
「知らん!」
振り向くと目をぱちくりとさせている。
「はぁ?」
「陵くんは大切な後輩だからね」
「大切?…………きもっ」
きもい!?きもいとは…
「俺が狙った女の癖に借り作りやがって。…よりにもよってあいつの彼女だしさ」
そんなに隆裕のこと嫌いなの?
「陵くん、隆裕は良い奴だよ」
「んなこと知ってんだよ。つーかだから俺は嫌なんだよ」
?隆裕が良い奴だから嫌ってこと?
「そりゃまたなんで」
「…………………俺もバカだった。もういい、帰るわ」
「そ。またね」
陵くんは手を上げてそのまま帰っていった。

