「サツに見つかってもめんどいし、場所離れるか」 陵くんは立ち上がりつつ、地面に置いておいたらしい袋を持つ。 「にしても偶然だな」 「だね」 「………」 陵くんはじっとこっちを見つめる。 「何日ぶりだ?お前と会うの」 パーカーのポケットに手を突っ込んだ。 「久しぶり」 なんて返すと、陵くんは固まる。 鼻を掻くと咳払いをして歩きだそうとした瞬間。 「こんな時間に色んな人がお揃いのようで」 嫌~な声が耳に入った…気がする。