チョコバナナを先っぽまで食べきると、 包み紙をゴミ箱に捨てた。 「美味しかった~」 「これからさ、僕参考書買っていきたいから本屋行ってもいい?」 あ、そうだ。 「ならあたしも買いたいものある」 「そうなの?」 隆裕が歩き始めたのに合わせつつ、「うん」と答えた。 「あ、秋穂が欲しい本あるの?」 「失礼な!これでもあたし現文は得意ですぅ」 むくれると、ほっぺをつまんで 「古典は?」 と返された。 「鳴海のせいで嫌い」 「…秋穂らしいね」