次の日の朝。
あたしは正直戸惑っていた。
なんか頑張って髪の毛巻いて、今時の短めのワンピースなんか着ちゃって。
「これ誰」
全然似合ってない。何この違和感、やばい。
けど今更直せない訳で、家を出た。
隆裕遅いなあ。
携帯を見るともう10時。
「寝坊?そんな訳ないか」
家の扉にもたれてヒールで釣りそうな足を休ませる。
30分待っても来る気配はなくて。
電話をしてみる。
プツッという音がして、出た。
「隆裕?」
『秋穂?ごめん。ちょっと知り合いに会っちゃって…今から行くね』
「うん…わかった」
知り合い、ですか。
暫くすると隆裕が家に到着した。
「お待たせ」
「中学時代の知り合い?」
隆裕が少し目を反らす。
「ごめん、菜々子ちゃんに会ったんだ、たまたま」
「そ…だったんだ」
「秋穂、今日すっごい可愛いじゃん。」
なんかそういう風に話切り替わるとは思ってなくて
「うん」としか返せなかった。

