「ていうかさぁ…なんでそんな奴と付き合ってんの?」
「あたしの勝手」
黙って階段を上がる。
「つかれたー…」
そのままベッドに直行。
携帯を開くと隆裕からの着信が一件入っていた。
『もしもし、急に電話入れてごめん』
「うーうん。大丈夫だよ」
ベッドに転がり手を上げた。
…あ、火傷の跡まだ残ってる。
『さっきうちの両親来てたよね』
「うん、来てた」
隆裕が電話越しでやっぱりかぁ、と呟く。
「ね、隆裕。」
『ん?』
「明日さ、休みな訳だけどさ」
少しだけ、時間が開く。
「で、デート…します?」
そしてまた、しーんと静かになる。
その場のノリで言っちゃったけど、これいいの?
『いつからそんな可愛いこと言うようになったのかな…ほんと』
「かっ可愛いとかそんなんじゃなくて…っ」
『俺も。行きたかったよ』
あんたこそいつまでそんなにかっこいいんだろう。
『じゃ…明日迎えに行くね』
「よっよろしく」
バイバイと言って電話が切れる。
と、同時に枕に頭を突っ込んで足をじたばたさせた。

