「おんなじ高校だったんですね」
「まぁね、この二人にも色々あったみたいだけどね」
隆裕の表情が少し変わった。
「…そう、なんだ」
「全くどいつもこいつも『色々』としか言わんで何があったのかさっぱり教えてくれん」
おじいちゃん、隆裕のお父さんとお母さんの時にもあたし達とおんなじことがあったりしたのかな。
「まあまあ、そうやってあの二人は仲良くなったんだから」
隆裕は「でも、この頃にはもう父さんはアカサカを継ぐ覚悟とかあったんだろうね」
と、少し悲しそうな目で言う。
おじいちゃんはそれを見て
「いーや」
と返した。
「お前のように悩んでたよ。何になるか」
「ある日言ってきたのよね。『俺はやっぱりアカサカを継ぐ』って。まるで誰かが医者になるって言ったみたいに」
おんなじように悩んだんだ。
そしてその答えが、
ただ違っただけだったんだ。

