「学校の合宿でしょ?御近所さんの民宿さんたち嬉しそうに忙しがってた」
おばあちゃん特性のお茶をありがたくいただく。
「うん。ここって決まったときは秋穂もすごい嬉しそうだったよね」
「た、隆裕だってこっち見てきたじゃん」
「はいはい。」
適当にあしらってお茶をすする。
「隆裕」
後ろからおじいちゃんの声がした。
「この前母さんの部屋片付けてたら色々出てきてな。学生時代のアルバムとかな」
へえ…隆裕のお母さんの学生時代かぁ。
「見るか?」
「え、勝手に見ちゃって大丈夫なんですか?」
「いいのいいの。どうせ本人に聞いたら『駄目』とか言い出すしね」
うーん、それって如何なものか。
開かれた茶色がかったアルバムにはおさげの可愛い女の子がいた。
あたしはついつい、見いってしまう。
「お、これが隆裕の父さんだよ」
指差されたイケメンは隆裕にそっくりな坊主の男子高校生で、
よく見たらそんなに今の隆裕のお父さんと変わらない。

