「みんなちゃんと来たんだね、アツくんや原くんも」
「ま、後輩くん達は相当暇らしいけどね」
Sヶ峰の人達との喧嘩はどうなるんだろう。
「あ、あの金髪じゃない?」
「あれだよあれ!秋穂ありがとね!」
七海は原くんの方へと駆けていった。
と、同時に「坂枝!」という声が聞こえてきて、
振り向くと(元)委員長の男子くんが立っていた。
「おはよ~姉御」
「あ、姉御ってどういうこと、変なあだ名つけんなよ」
委員長くんを軽く蹴ると「あぁ~骨折れたぁ~」なんて言い出す始末。
「さすが姉御っすね!」
隣の男子も変に便乗してくる。
「だからあたしは姉御じゃないっつの!」
「えー、ちょっとくらいいいじゃないっすか」
はぁ?こいつら大丈夫なの?
「昨日の夜、坂枝の話しててさ、姉御って呼ぶことにした」
「ふぅん、俺は面白くねえと思うけど。」
その声の主に二人がビクッとする。
「人の彼女でいつまで遊んでんの?」
「あ、あ、赤坂…」
「よかったらこの子貸してくんない?」
二人の肩に乗っていた腕があたしの首に軽く掛けられる。
「どうぞどうぞ」
早急に二人は逃げた。
…………ってこんなタイミングで二人にするか!?普通。
「た、隆裕?おは」
言い切る前に口を蓋された。
…隆裕の寝起きの顔で。
「おはよう。秋穂ちゃん」
寝起きってことは、機嫌最悪なんですね、わかりました。
「た、隆裕?」
「何?」
「良い朝だ…ね」
隆裕はニッコリ笑うと、「へぇ、秋穂ちゃんは違う男と朝を過ごすと良い朝になるんだねぇ」
なんて皮肉を言い出した。

