自然と足早になる。
喧嘩しちゃった。
…喧嘩しちゃった。
「喧嘩しちゃったあああああ!?」
「あ、秋穂?」
振り向いて隆裕の顔を見た。
「どっどっどうしよ!アツくんと…アツくんと喧嘩しちゃったよ!?」
「まあまあ。落ち着いて、深呼吸深呼吸」
スーハーと深呼吸をする。
少しだけ焦りが取れた。
「しょうがないよ。秋穂はアツのこと思ってやったんだし。アツはアツで、秋穂のことを思ってやったことでしょ?」
頷くと頭に手が乗る。
「………そーなのかな」
だからって喧嘩って…。
「どうしよう、アツくんと…どうしよう」
「アツも今ごろ反省してるよ」

