放課後、隆裕と久々に手を繋いで帰れる。
……そう言えば凌くんになんか呼ばれてた気が。
「た、隆裕先輩!」
思い出して迷っていると、後ろから菜々子ちゃんの声が聞こえた。
「菜々子ちゃん…」
「せ、先輩。ちょっとだけでいいんです。教えて欲しいところがあって」
隆裕がこっちを見て「ごめん、ちょっと待っててもらってもいいかな?」
え…。
嫌とは思ってもどうしようもない。
「わかった。、あたしもちょっと用事あるからすぐ終わらせて待ってるね」
隆裕は頭にポンポンと手を乗せる。
「絶対今日は一緒に帰るから」
うん、と大きく頷くと走っていく隆裕。

