隆裕が何を返そうかペンを回してるうちに授業が終わった。
「あ、そうだ。今日生徒会休みなんだ」
「え!?本当!?」
うん、と伸びをしながら答える。
「一緒に帰れる!?」
「…当たり前」
やったあ、嬉しい。
と飛び付こうとした瞬間
「原いねえ?」
教室の扉を開けてそう言った。
のは、アツくんだった。
「…原くん?」
なんでうちのクラスに?と言うのが顔に書いてあったらしく、
「麻川がここのクラスだから」
と言った。
「いないー」
と七海は返した。
携帯を片手に持ちつつ。
「なんか最近一緒にいるよね原くんとアツくん」
「ちげえよ、前のは隆裕の頼み」
そう言いながら近づいてきた。
「お前家にいたら隆裕がどっきりできなかったからだよ」
隆裕の表情が少し変わる。
「なんでそれ言っちゃうかなあ」
「え?え?え?」
「呼び出した要件どうしようか迷ってたら丁度麻川が渡したいものがあるって」
隆裕がアツくんにつかみかかるようにして向こうへと行ってしまった。
「ネタばらししすぎー」
と七海がこっちにやってきた。
「ごめんごめん」

